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- 高齢者施設の新築・リノベーションをお考えの方へ -

◆ 高齢者施設の設計で大切にしていること                   

 高齢者のみなさんが有料老人ホームやデイサービスセンター・グループホーム・特別養護老人ホーム・サービス付高齢者向け住宅・小規模多機能型居宅などの施設に何を求めているのか、を確認することが初めにしないといけないことだと思っています。利用者のそれぞれが思い描くものが必ずあるはずだからです。
 数時間しか居ない商業施設や公共施設と違って、高齢者施設は1年の内のかなり長い時を過ごすものですから、自ずと他の建物と設計のアプローチが違ってくるのは当然のことと言えるでしょう。日常生活にないものを求めに人々は商業施設へ足を運ぶと言えますから、商業施設に求められるのは非日常的な空間になりますが、
高齢者施設は住宅と同じような日常的な空間になります。
 高齢者施設に一番大切なことは、
毎日を疲れやストレスを感じず、翌日への活力を生み出せる快適な環境だと思っています。施設の職員や友人と楽しく、健康的に過ごせる環境創りも大切な要素でしょう。設計者が自己満足のためにデザイン重視の姿勢で設計へ臨むということがあってはならないと思います。事業者や利用者の皆さんが思い描く施設を周辺の環境にマッチするように考え、提案することが大切だと考えています。

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◆ 健康について                                     

 近年、新築建物での健康に対する関心が高まっていますが、その引き金になったのはシックハウス症候群と呼ばれる健康被害です。シックハウス症候群とは、新築病とも呼ばれ、建築に使用される建材や家具などから出る化学物質が原因となって発生する不快感、頭痛、せき、アレルギーなどのさまざまな病的な症状のことをいいます。発生の程度は個人差がかなりあるようです。シックハウス症候群の中でも、最も問題視されている有害物質が、合板、木質建材、壁紙、家具に含まれるホルムアルデヒドです。ホルムアルデヒドの影響は、皮膚炎、呼吸器疾患、神経障害などであり、発がん性も指摘されています。ホルムアルデヒドは無垢の木には含まれませんから、天然の木の良さが見直されています。近年増えている高気密・高断熱の建物では、発生したVOC(揮発性有機化合物)が、こもりやすく、これが健康被害を増長させます。風が通り抜けられないような間取りになっている建物ではVOC(揮発性有機化合物)を屋外へ排出する為、1日中換気扇を回しておく必要があります。その為、窓の配置や間取りが重要になってきます。余談になりますが、観葉植物はVOC(揮発性有機化合物)を吸収してくれるといわれています。ホルムアルデヒドには、ポトス、アマリリスなどが有効であり、ゴムの木、アイビー、ベンジャミン、カポックなども効果があるそうです。その他の健康被害としては、ダニやカビによるアレルギー疾患があります。特に影響が大きいのは免疫力の弱い子供、高齢者、病人などに対してです。カビやダニが発生する原因は、高湿度による結露が最大の要因です。特に、梅雨の時期には部屋の湿度をいかにして低く抑えるかが重要になります。自然素材の木や紙や土は調湿作用がありますから、湿度の高い時は湿気を吸ってくれます。冬の時期には建物全体の断熱性の向上が結露防止につながります。特に、真冬には窓のガラス部分や枠から熱が一番逃げ易くなりますから、ペアガラスや樹脂サッシにすることによって結露を防ぐことができます。

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◆ 地震・台風に強い建物について                        

 1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災で多くの建物が全半壊し、多くの人が建物の倒壊によって亡くなりました。震災後、しばらくの間は耐震性の重要性が色々なところで取り上げられていましたが、月日が経つにつれて、だんだんと関心が薄れているような気がします。建物に最低限必要な条件は、雨・露をしのぎ、安全に過ごせることだということを、常に念頭に置いておく必要があります。その上で、機能性や快適性・デザイン性を加えられてこそ真に価値のある住環境になるのだと思います。 地震に強い建物のいくつかの条件を挙げておきます。構造形式は木造、鉄筋コンクリ−ト造、鉄骨造などいくつかありますが、共通していえる事項が多くあります。

 @事前に地盤調査をし、地盤の強度に応じた適切な基礎形式を採用すること。

 A地震・台風に耐えれる耐力壁をバランスよく配置すること。偏った配置は不可。

 B床面や屋根面の水平剛性を高めること。これによって建物のねじれを防ぎます。

 C木造の場合、柱と土台・梁などの部材同士を耐震金物でしっかりと補強すること。

 D鉄筋コンクリート造ラーメン構造の場合、経済的で構造的に無理のないスパン
   (柱と柱の間の距離)は7〜8メートル程度
です。


各構造の特徴については他のページ「知っておきたい建築用語」で説明していますので、ご覧ください。

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◆ 特殊解としての高齢者施設設計                          

 全ての高齢者施設は敷地条件が違いますから当然、同じ施設は有り得ないものだと思います。
 ハウスメーカーの造る施設は同じ間取りや同じ形・同じ仕様のものが多く存在しています。
 例えば、高齢者の居室は通常は安全性を考慮して1階に設けますが住宅密集地などで遠景として海や川・森などがあれば、眺望の開ける2階に高齢者の集う食堂や個室を設けて、生活の中心を2階にするという場合も有り得ることです。ただし、その場合はエレベーターや2方向に避難可能な緩やかな階段・水害対策としての屋上広場などが必要になってきます。このように、色々な条件を考慮した上で初めて最良な施設の計画ができるのです。


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◆ 間取りのパターンの色々                            

1.高さ方向の違いによる分類
 @平屋建て
 火災や地震時の避難の安全性を考えると高齢者施設は平屋建てが理想的です。階段が不要なのでスペースを有効に使え、高齢者や肢体不自由者のいる施設ではバリアフリーにすることが容易で、暮らし易い型です。ただし、敷地が狭い場合は平屋は不可能な場合があります。

 A多層階建て
 敷地の広さに制限の多いわが国ではやむを得ず多層階建てにすることもあります。平屋建てに比べて、階段のスペースが余分に必要になります。高齢者の緊急時の避難について細心の配慮が必要です。緩やかな階段を設け少なくとも2方向に避難可能にすることが必要です。原則として日常の上下移動にエレベーターが必要です。

 B吹き抜けのある型
 食堂やホール・コモンリビング・ラウンジ・多目的室の上部に吹き抜けをとって開放感のある空間を得られる型です。高窓やトップライトがとれるので、自然光や風を十分に取り入れることができ明るく気持ちのいい空間が可能です。ただし、日の沈んだ真冬の夜間には、床暖房を取り入れるなど寒さ対策が必要になることがあります。


2.水平方向の型の違いによる分類
 @長方形の型
 壁の凹凸が無く、最も経済的な間取りのパターンです。ただし、無理にこの型にあてはめようとすると、使いづらい施設になることがありますので注意が必要です。

 Aコの字型
 中間の部分にテラスや中庭を設けることができ、日当たりが良く、風通しのいい開放的な空間を設けることが可能な型です。

 B雁行型
 雁行状に部屋を配置して日当りが良く、変化のある外観が可能な型です。

 Cロの字型 (中庭型)
 中庭を取り囲むように部屋を配置することができ、各部屋から利用者の気配を感じることができる型です。街中などで敷地周辺に建物が密集している場合に外部からの人の視線が気に掛かる時に、中庭に開いた窓を設けてプライバシーを守れます。日光や風を中庭から取り込むことが可能です。

3.部屋同士のつながり方の違いによる分類
 @リビングルーム中心型
 コモンリビングやラウンジ・多目的室などの広い空間をプランの中心において、施設の動線(人の流れ)がここを通っていく型です。廊下の部分が少なくなり、部屋を広く取ることが可能になり、利用者同士のコミュニケーションも取り易くなります。但し、利用者のみんなの通り道になり、落ち着かない空間になりがちなので、出入口の位置などに注意が必要です。

 A廊下型
 廊下から各部屋へ入るようにするプランです。各部屋の独立性は高くなりますが、その反面、利用者同士のコミュニケーションが取りにくくなります。また、建物全体の空間が細分化されてしまい、閉鎖的で風通しも悪くなるという欠点があります。廊下が家の真ん中にある「中廊下型」と片方に寄っている「片廊下型」があります。

 B階段ホール型
 施設の中央に玄関ホールと階段部分を設けて、そこから各部屋へ入れるようにして、廊下部分を少なくした型です。このプランも利用者同士のコミュニケーションに問題が生じる危険性があります。

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◆ 建物のデザインスタイル                           

 @モダンスタイル
 「飾り気のないものが美しい」という、飾りを取り去ったシンプルなデザインスタイルです。典型的な色調に、白黒やグレーだけのモノトーンがあり、コンクリート打ち放しはその典型です。塗装仕上げやクロス貼りで白壁仕立ての仕上げも多いパターンです。オフホワイトなどの一色だけで質感の異なるさまざまな材料によって変化をつける手法もあります。モダンデザインらしいスマートな中に豊かな表現ができます。モダンスタイルにおいては、室内全体を3色以内に制限した色使いを基本とします。イタリアンモダンスタイルでは赤や黄色などの原色を使った色使いをします。

 Aナチュラルスタイル
 木や土・紙などの素材感を出したデザインスタイルです。内外壁や床・天井部分の多くに自然素材を使い、暖かみのある空間ができます。木や土の豊かな香りも自然素材ならではの特徴になります。ナチュラルスタイルにおいては、ベージュ系やホワイトを色使いの基本とします。高齢者にとっては懐かしさも感じられる最もなじみ易い空間スタイルといえます。

 Bクラシックスタイル
 洋風建築のデザインで、王侯貴族の城館をイメージさせる様式です。モダンスタイルと対照的で、装飾を数多く使って美しさを表現するスタイルです。大理石やタイルなどをリビングルームなどの一般居室にも使うことがあります。

 Cエスニックスタイル
 白木や濃く色付けした木部を基調にして、カーテンや家具、民芸品などをあしらって演出するデザインスタイルです。フランスの田舎風・アメリカンカントリースタイル・アジアンスタイルなどいくつかのスタイルがあります。

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◆ 高齢者施設建築のための資金計画                     

1.土地購入時の費用
 土地代金・宅建業者仲介手数料・売買契約書印紙代(印紙税)・登録免許税(土地所有権移転登記)・土地所有権移転登記手数料(司法書士への報酬)

2.建築時の諸費用
 地盤調査費・建築工事費・工事契約書用印紙代・建築確認申請料・中間完了検査手数料・水道加入金・建物表題登記(土地家屋調査士への報酬)・所有権保存登記(登録免許税+司法書士への報酬)・各祭典費用(地鎮祭、上棟式、近隣挨拶費)・引越し費用

3.設計監理費 (当社にお支払いして頂く費用です。)
 設計監理費については他のページ「設計料について」で説明していますので、ご覧ください。

4.融資(ローン)に必要な費用
 契約書印紙代・融資機関に支払うローン手数料・保障会社に支払うローン手数料・火災保険料・地震保険料・登録免許税+司法書士への報酬・抵当権設定料

5.建物完成後に必要な費用
 不動産取得税・固定資産税・都市計画税・備品購入費(家具・カーテン・カーペットなど)

※ 建築工事費の目安 (仕様や床面積によって幅があります。)
 @木造の場合…40万〜60万円 / 坪(床面積)

 A鉄骨造の場合…65万円〜 / 坪(床面積)

 A鉄筋コンクリート造の場合…75万円〜 / 坪(床面積)


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◆ リフォーム・リノベーション(用途変更)について               

 施設をより快適にする為にリフォームや既存の用途を変えるリノベーションを考える時には、まず既存建物の傷み具合などの現状をよく把握する事と、現状の不満点はどこなのかを整理することが大切です。

 現在の施設に愛着があるためできるだけ長く暮らしたいという方も多くおられると思いますが、リフォーム・リノベーションするより、建て直すほうが安くつくこともあります。地盤が悪く、建物が傾いていたりする場合には地盤の補強や建物の傾きを直したりすることだけでも高い費用が掛かります。木造の場合には建物が老朽化して建物の大半がシロアリの被害にあっている場合も高額の補修費用が掛かることがありますから、現状の調査が重要になってきます。こういった
現状調査から当社では対応いたします。既存建物の構造形式によっては、壁や柱を移動したくても出来ない場合もあります。建築の専門家でないと分かりにくいことがありますので、専門家に実際に見てもらって判断することが賢明です。


 建物の現状調査後、リフォーム・リノベーションすることを決めた時は、まず現状の不満点はどこなのかを整理するために、事業者・職員・利用者の皆さんで意見を出し合い、箇条書きにしてみると、具体的な方向性が見えてきます。但し、予算内で希望することが全て実現するとは限りませんから、どの項目が重要なのかを皆さんで話し合って優先順位を決めておくことも大切です。

 リフォーム・リノベーションの場合、重要な項目は次のとおりです。
 @階段、通路、トイレ、浴室、高齢者個室、介護室などでの手すりの取り付け
 A床または通路面の段差の解消
 B滑りの防止および移動の円滑化などのための床または通路面の、材料の変更
 C開き戸から引き戸などへの扉の取替え・開口幅の拡幅(80cm以上)
 D和式便器から洋式便器などへの取替え
 Eその他、@〜Dに付帯する改修
 Fエレベーターの設置
 G階段及び廊下の拡幅

 建物の内外装のデザインイメージを、がらっと変えたい場合には具体的なイメージが分かり易いように皆さんのイメージするものを雑誌などの写真でチェックしておくと、その後の作業がスムーズに行くことが多くあります。




 このページの内容は随時追加していく予定です。

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