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- 知っておきたい建築用語 -
◆ 木造軸組み工法
日本の住宅建築の主流を占める工法で、在来工法とも呼ばれます。
在来工法は木材の柱、梁など軸状の材料をつなぎあわせて構造体を造る工法です。柱や梁をつなぎあわせるのに、昔は釘などの金物を使用しない場合もありましたが、現在では緊結金物を使うようになりました。耐震性を高める為に、筋かいという斜材を壁に入れたり、構造用合板を外壁に張ったりします。
長所としては次のようなものがあります。
1.木造枠組壁工法に比べて自由度の高い内部空間を得ることができます。窓などの開口部も比較的大きくすることが可能です。
2.木造枠組壁工法に比べて増改築が容易です。
3.木材の温湿度調整作用など、わが国の気候・風土に適しています。
4.木材は軽量で施工性が良く、自然材料であるため材質感が良いです。
短所としては次のようなものがあります。
1.乾燥・収縮による部材の接合に欠陥を生じやすいので、接合部に余裕を持たせるなどの工夫が必要です。
2.耐火性に劣り、腐朽や虫害を受けやすいです。その為、防火仕様にしたり、腐朽や虫害に対する対策が必要です。
◆ 木造枠組壁工法
カナダ・アメリカで発達した木造住宅構造で、ツーバイフォー工法とも呼ばれます。
木造で壁パネルを造り、これを釘打ちで組み立てていきますから、壁構造と呼ばれています。在来工法のように、柱といえるものはありません。日本でも住宅や共同住宅などの間仕切り壁の多い建築物に用いられている工法です。
長所としては次のようなものがあります。
1.軸組み工法のように木材への細かい加工が不要で、材を突き合わせて組み立てるだけなので、施工が容易で、工事が短めです。
2.壁全体で荷重を支えるので、横からの力に強く、比較的耐震性に優れています。
短所としては次のようなものがあります。 1.建物全体に壁の量が多くなり改築する時に壁をなくせない、窓などの開口部があまり大きく取れないなどがあります。
2.耐火性に劣り、腐朽や虫害を受けやすいです。その為、防火仕様にしたり、腐朽や虫害に対する対策が必要です。
◆ 鉄筋コンクリート造 ラーメン構造
鉄筋コンクリートの太い柱や梁で構成される軸組み構造です。ラーメン構造は、柱や梁がしっかりしているので、壁による制約が少なく、スパン(柱と柱の間隔)が大きく取れ、自由度の高い内部空間を得ることができます。窓などの開口部も大きくすることが可能です。
鉄筋コンクリートの長所としては次のようなものがあります。
1.耐震性:手抜きのない工事をしていれば、地震に強い構造です。
2.耐久性:鉄筋をコンクリートでしっかり保護できていれば耐久性のある構造です。
3.耐火性:火に強くない鉄筋をコンクリートでしっかり保護できていれば耐火性のある構造です。
4.自由な造形:曲面や傾斜面も容易に造れますから、色々な形が可能です。
5.高層化:自重が重いため超高層には適しませんが、40階くらいまでは可能です。
6.熱容量が大きい:暖房などで暖かくなるまでには時間が掛かりますが、暖房を切っても構造体が熱を発して暖かいです。
鉄筋コンクリートの短所としては次のようなものがあります。
1.コンクリートそのものは断熱性が高くないので断熱工事が必要です。 2.コンクリートが固まって強くなるまでに時間が掛かるので、他の構造よりも工期が長くなります。
◆ 鉄筋コンクリート造 壁構造
鉄筋コンクリートの壁や床で荷重を支える、柱の無い構造です。住宅や5階建て以下の共同住宅などの、間仕切り壁の多い建築物に用いられている工法です。
長所としては、鉄筋コンクリートラーメン構造と同じように耐震性・耐久性・耐火性・熱容量が大きいなどがあります。その他としては、ラーメン構造のように柱型や梁型が室内に現れないので空間が有効に利用できます。
短所としては、鉄筋コンクリートラーメン構造と同じように断熱性が高くない・工期が長くなるなどがあります。その他としては、建物全体に壁の量が多くなり改築する時に壁をなくせない、窓などの開口部があまり大きく取れないなどが挙げられます。
◆ 鉄骨造 ラーメン構造
鉄骨の柱や梁で構成される軸組み構造です。低層建築から超高層建築まで用いられます。
長所としては次のようなものがあります。
1.ラーメン構造は、柱や梁がしっかりしているので、壁による制約が少なく、スパン(柱と柱の間隔)が大きく取れ、自由度の高い内部空間を得ることができます。窓などの開口部も比較的大きくすることが可能です。
2.鉄筋コンクリート造に比べて、軽量で経済的です
3.軽量の割には強度が高いので、大スパン建築や超高層建築に適している。
4.工場で部材を制作管理できるため、材質的に均一なものが大量生産できます。
短所としては次のようなものがあります。
1.鉄骨は不燃材料ですが、鉄筋コンクリートに比べて、耐火性に劣るため耐火被覆が必要です。
2.鉄は酸化すると錆びるので、十分な防錆処理が必要です。
3.躯体には十分な断熱処理が必要です。
※この建築用語集は随時追加していく予定です。
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